横田尚哉
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国内レポート20040921
設計VEが公共事業を変えるB
「変えなければ変わらない」
(橋梁新聞20040921掲載)
前回までに、設計VEが公共事業をより良くするものであることや、従事者に必要なものを身に付けられるものであることを説明してきた。しかし、まだ変えなければならないものがある。今回は、設計VEを活かすことに障害となっているシステムについて触れたいと思う。
■会計法という轍(わだち)
公共事業が、長い間、会計法に沿って進められてきた結果、深い轍が出来上がった。その始まりは、戦後の復興期に遡る。当時、開発途上国であった日本には、社会資本を多量に整備する必要があった。そして、設計や施工を委託や請負の形でアウトソーシングし、大量調達をしなければならなくなった。そんな昭和22年、会計法が施行されたのだった。
設計VEも、例外にもれずこの轍が問題となっている。それは、会計法予決令(予算決算及び会計令)や地方自治法施工令による予定価格制度である。標準と決められた総額が上限拘束となり、それを下回らないと契約できないことになっている。例えば、ある橋梁の設計業務の業者選定を考えよう。通常の設計を行うA社と、設計に加えてVEを行うB社、もちろん、B社の方が高額となる。発注者は通常の設計を標準と考えているため、B社は予定価格を上回ることになり受注できなかった。その結果、橋梁の改善が行われず5億円の事業費削減の機会を逃したのである。納税者は、これを知ったらどう思うだろうか。
最近では、多様な入札・契約方式が検討され、実際に増えてきている。そのどれもが、納税者利益の確保が目的であることに違いはない。しかし、目的を見失った運用により、予算管理上や発注作業上といった提供者のためだけに終わってほしくないものだ。
■縦割りの壁を越える
轍を抜けたとしても、次に待っているのは縦割りの壁である。ある堤防道路上の交差点改良の事例に例えて説明してみよう。その交差点には、渋滞対策として交差点を立体交差する計画があった。しかし、河川改修が未着手のその河川の堤防天端幅を広げることで、立体交差を行わずに渋滞を解消することができるということがVEで判った。費用も堤防断面変更の方が立体交差よりも安価である。
ところが、河川管理者は、この提案を拒否したのである。その理由は、河川改修計画上の堤防断面と異なるため断面変更には安全検討業務が必要なことと、回収工事の予算が計上されていないことである。結果、VE提案は採用されず、当初どおり道路事業だけで渋滞対策が進められた。10億円の事業費削減の機会を逃した。
河川事業と道路事業は、目的も予算も違うものであり、それぞれの管理者は、別々の責任を負っている。このケースの河川管理者は、与えられた責任範囲での判断にならざるを得なかったところに問題があった。行政区分の壁のないところで判断ができるようにならなければ、必要のない事業は無くならない。10億円があれば、堤防改修に合わせて、その河川に架かる橋梁を更新することも可能だった。さて住民は、どっちを望むだろうか。
■ノウハウへの対価
最後に、設計VEに対する対価について述べておきたい。労働には、肉体的労働と知的労働がある。知的労働には、論理的労働と創造的労働がある。論理的労働とは、計算式を解くように決められたルールに従って作業すれば、1つの結果が得られるものである。基準やマニュアルに従えばできるものである。創造的労働とは、アイデアや工夫など一人ひとりの創造力によって生み出され、いくつもの結果が得られるものである。より良くするためのノウハウである。
では、対価はどのように考えれば良いのだろうか。設計計算のような論理的作業に対する対価は、知識者の作業により導き出されるものであるため、その対価を作業時間に置き換えてきた。しかし、設計VEのような創造的作業に対する対価は、熟練者の想像力により導き出されるものであり、必ずしも同じ時間を掛ければ同じ結果になるとは言えない。その価値は、作業結果を見てからでないとも判定できないのである。
このようなVE作業への契約には、VEインセンティブ契約とVEプログラム要求契約が考えられる。前者は、契約時にVEに関する費用が発生せず、受注者にVE実施を強制するものでもない。もし、受注者から優れたVE提案があれば、一定の奨励金を与えるものである。設計VEは、工事VEのように実際に金額が発生しないため、採用提案の質と量で奨励金を決める。十分な結果が出せなかった場合は、奨励金はない。当然である。これが設計VEのモチベーションとなる。
後者は、契約時にVEプログラム費を計上し、VEを実施させるものである。委託費がはっきりしているため、予算管理がしやすい。しかし、改善余地のない場合は、十分な結果が得られないこともあり、また、結果が得られたとしても、さらに良い案を創造するモチベーションに結びつかないため、それなりの結果しか得られないこともある。
設計VEは優れた事業管理手法であるが、様々なシステムがまだ障害となって残っている。いくら良い手法と提案があっても、システムを変えなければ変わらない。一日も早く公共事業のあるべき姿に近づくことを筆者は、願っている。
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