![00078 モニュメントな階段](ve_door_img.php?sdasrt8aserasdlfk73rawe=00078)
とあるビルの最上階にありました。フロア間をつなぐ螺旋階段なのですが、オールステンレスで、全てが溶接で仕上げられている螺旋階段です。しかも部材の数が多く、その全てが複雑に組み込まれているのでした。 そもそも、この階段にこれ程までの部材が必要なのでしょうか。私は、構造物の設計をしていたので、一目見てびっくり仰天したのです。まるでモニュメントかと思いました。そしてジロジロ、くまなく舐めまわしたのです。 実際、登り下りができる実用的な階段でした。ということは、人の《体重を支える》強度が必要です。そして、ビルの最上階にふさわしいように《見た目を良くする》必要もあります。 本来なら、《体重を支える》ために必要な部材に、《見た目を良くする》ための部材を追加します。ところが、この螺旋階段はその逆です。つまり、モニュメントとして《見た目を良くする》ために部材をたくさん用い、十分すぎるんほど《体重を支える》ことができるようになりました。 しかも、部材を必要以上に増やしたことで、《階段の重量を支える》必要が出てきました。 芸術的なセンスが無いのかもしれませんが、私には《見た目を良くする》構造物には見えませんでした。ステンレスって高い材料なのですよね……
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